新しいアサガオの品種を紹介

asagao1 自然
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アサガオは花の中でも、子どもの頃からよく見知ったありふれた花だと思われています。
しかし実は、いろんな種類があることをご存じでしょうか。

水色や紫といった定番の色だけでなく、変わった形状になった花びら、
それに次々と新しい色が生まれているのです。

さらにはついに、研究者の手によって、幻といわれていた色まで再現されたのです。

幸せの黄色いアサガオ

夏になると、家々の軒先や塀などによく見かけるアサガオ
育てやすくて種も手に入れやすく、
目が出て花が咲き、種が取れるまでといった成長もわかりやすいため、
小学校低学年の学習教材としてもお馴染みです。

子どもの小学校では、一年生の夏休みに育成し、種をできるだけたくさん取り、
その種を各自が小袋に入れて先生が回収、それを次の年の一年生にあげる、
というサイクルができていました。
そのため、子どもが学校でもらってきた小袋には、可愛い字で
「つぎはきみが、そだてるばんだ!」と書かれていて笑いました。

古典的な紫

子どもでも簡単に育てることが出来る上、増やすのも容易なアサガオは、
俳句にも詠まれるなど、日本国内で古くから親しまれていました。

江戸時代は品種改良が盛んに行われ、一大ブームを引き起こしました。
色や柄だけでなく、花びらの形状や大きさなど、
さまざまなアサガオを生み出しました。
今でも朝顔市にいくと、そのあまりの種類の多さに驚くことでしょう。

しかし実は今まで、一般にはなかった色があるのをご存知でしょうか。

いろいろな色・柄

アサガオといえば、水色や淡いピンク、江戸を感じさせる紫色を思い浮かべます。
それらに白い縁取りや筋目などが入り、それぞれの個性をみせてくれます。

さらに年々、新しい品種も増えているようです。
子どもがもらってきた「きみのばんタネ」は一学期中に植えられ、
夏休み前に鉢植えとして学校から持ち帰ってきました。
どんな色の花が咲くのか、親子で楽しみにしていました。

ある日、水をあげにいった子どもが「茶色い花が咲いてる!」というので、
あれ?もう枯れたの?と思い見に行ったら、なんと、本当に茶色いアサガオでした。
淡くパールがかった海老茶の花で、渋いながらもとてもきれいな花びらでした。

びっくりして調べると「団十郎」という品種で、わりと最近出回ってきたそうです。
これがアサガオの色の奥深さを知るきっかけとなりました。

実際はもっと強い茶色です。

そのほかに、手のひらよりも大きな大輪の花を咲かせるものや、
花びらが丸くなく、いくつかに分かれているもの、
細かなマダラが入って、絵の具を飛ばした柄のようなものなど
一見もはやアサガオにはみえないのもあり、その数は把握できないほどです。

 

江戸時代には黄色があった?!

こんなカラフルなアサガオですが、黄色だけはない、と言われていました。
(黄色朝顔と呼ばれる品種もありますが、カボチャの花に似ている別種です)

もともとアサガオの原種は青い花で、紫やピンクといった
他の色はアサガオが流行した江戸時代に開発されたものですが、
現代に残された江戸時代の植物図鑑には、黄色も記載されていたのです。

しかしその品種は残されていなかったため、
今では「幻のアサガオ」と呼ばれるようになっていました。

アサガオなのに暑さに弱い、といった育成しにくい品種だったのか、
当時は不人気のため淘汰されてしまったのか、
消えてしまった理由は謎につつまれています。

でも、やはり黄色いアサガオには憧れがあります。
ただでさえ爽やかなアサガオが、明るい黄色で咲いたとしたら
さぞかし華やかで美しいことでしょう。夏にぴったりです。

そして、他の方々もそう思っていたようで、
これまで人類が「青いバラ」の完成を目指したように、
この「黄色いアサガオ」も、研究者の努力によって生み出されることになったのです。

幻のアサガオ、誕生

この「黄色いアサガオ開発」は、青いバラ開発でおなじみのサントリーの研究所と、
自然科学研究機構、鹿児島大学との共同研究で進められました。

黄色の花にはカロテノイドなどの色素が含まれていますが、
これを色味として出るほどに含んだアサガオはありませんでした。
(白やクリーム色はありました)

そこで他の種類の黄色い花(キンギョソウ)が、黄色い色素が作る仕組みを
色素の薄いクリーム色のアサガオに取り込むことにしたそうです。
そして黄色い色素を持ったアサガオが誕生しました。

こちらサントリーホールディングス株式会社のウェブサイトで見ることが出来ます。
 ニュースリリース No.12196   (2014.10.10)

写真で見ると、本当にはっきりした黄色です。
青や紫と一緒に植えたら、お互いを引き立てることができそうです。
早く一般に種が流通するようになってもらいたいと思いました。

まとめ

幻と言われていた黄色いアサガオ、作ってもらえてうれしいです。

「こんな花があったら良いな」をどんどん実現してきた人類ですが、
今後もどんな素敵な色や花弁を見せてくれるのでしょうか。

リクエストとしては、ハイビスカスのように明るいオレンジ色か、
淡く爽やかなグリーンのアサガオを見てみたいと思っています。

また当たり前で身近すぎるアサガオですが、ちょっとその種類を調べてみると
新鮮な驚きをもたらしてくれるかもしれません。

生活の潤いになる植物、これからも楽しみに見守っていきたいと思います。

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