世界にはさまざまなリゾート地や宿泊施設がありますが、
なかでもスウェーデンにあるアイスホテルは、その建材の珍しさで大変有名です。
そのホテルはただ氷でできているというだけではなく、
世界中から集められた彫刻家などのアーティストによって一部屋一部屋作られており
「泊まれる芸術品」ともいえる、大変美しく華麗な宿泊施設となっています。
以前、オーロラ見学のためにスウェーデンに行った際に、
このアイスホテルを見学して参りました。
行ってみたくなるような情報とともに、ぜひ涼しい写真をお楽しみください。
スウェーデンのアイスホテル
氷のホテルは、スウェーデンの北部・ユッカスヤルヴィという所にあります。
割と大きな都市であるキルナから、車で30分ほどで行くことができます。
建物の壁は、近くを流れるトルネ川から採取された氷のブロックを積み重ねてできており
その他のベッドや椅子なども、全て氷で作られています。
ホテルの個室はそれぞれ、世界中から集められた彫刻家などのアーティストによって
さまざまなテイストで作られており、ひとつとして同じものがありません。
毎年12月に新しく建てられ、たいだい4月には溶けてなくなってしまうと聞き、
とても繊細で華麗に作られた作品(部屋)などを見て、もったいない!と思いました。
他のツアー客から、「これがまるまる入る冷凍室に保存しておけばいいのに~」
という言葉が出たくらい、どれも素敵な部屋でした。
とても寒い地域のため、施設内は常に-5℃以下に維持されているそうです。
なお、2016年にICEHOTEL365が敷地内に作られました。
このアイスホテル365は、その名の通り、一年中氷の部屋に宿泊できるため
旅行期間に縛られることがなくなったのは利用者として嬉しい話題といえます。
周辺と入り口
アイスホテルにはオプショナルのツアーで行きました。
個人で行かれる場合なら、宿泊する場合は送迎を申し込むのが一番です。
見学のみでしたらタクシーが便利ですが、リーズナブルなのはやはりバスです。
バスはキルナのバスステーションが始発で、
そこから乗って「ユッカスヤルヴィ アイスホテル」というバス停で降ります。
(キルナからは犬ぞりで連れて行ってくれるサービスもあるそうです!)
公式見学時間は10時~18時でした(当時)。
ホテルの周辺には、雪や氷でできたたくさんの彫刻が設置されていました。
夜間にはライトアップもされ、大変キレイな光景です。
(こちらは帰り際の撮影です)
ウェルカム熊さん。
なんとなくユーモラスな感じでした。
後ろのガラスに移っているとおり、
背後も丁寧に作られています。
みんなで楽しむものなので
触るのはNGです。
積雪で外観はよくわかりませんが、氷のブロックを積み重ねて作られています。
1ブロックが大変分厚く大きいので、重機を使ったとしても、
なかなかの労力だったのでは?と思います。
当然、外も室内も氷点下で、とても寒かった(というより冷たかった)です。
宿泊用の部屋も氷のみ
宿泊客がいない部屋などを見学することができました。
氷で出来ていると思うと、崩れなどが怖いかと思いましたが、
寒さや重みなどで一体化しており、建材として抜群の安定感でした。
こちらに宿泊の場合、氷でできたベッドにマットと厚いトナカイの毛皮が置いてあるので、
その上に敷かれた寝袋に入り眠ることになります。(ログハウス調の温かい部屋もあります)
また各氷の部屋には、ドアも無ければ鍵もありません。
(これが一番驚きました。カーテンなどもなかったです)
ただし寝袋に潜り込んで寝ることになるので、
気にならないとガイドさんがおっしゃっていました。
その他の施設
ここにはレストランやシャワーなどの通常のホテル施設のほかに、
アイスホテルならではの珍しいものもあります。
アイス・バーは見学者でも利用することができました。
ここでも部屋と同様に、壁などをはじめ、テーブル、グラス、椅子まで全て氷で出来ています。
椅子に座りましたが、冷たさよりも硬さが気になったかもしれません。
ここでは氷のグラスに入ったウォッカなどの酒類が楽しめます(バーなので)
心底、温かい飲み物が欲しかったところですが、
せっかくの機会なので赤いウォッカをお願いしました。
またこちらのホテルには、すべてが氷でできている教会が敷地内にあります。
(式場があるのって通常のホテルと一緒なんだな、と思いました)
氷のチャペルでは、毎年数多くのカップルが結婚式を挙げているそうです。
アクティビティ盛りだくさん!
この周辺には、雪国スウェーデンならではのアクティビティが楽しめます。
犬ぞりに乗って走ったり、氷の彫刻体験といった、この国ならではの
貴重で楽しいプログラムがいくつか用意されているそうです。
(ホテルのアクティビティ窓口で予約できるとのことです)
犬ぞりに乗りましたが、たくさんの犬が引いてくれるので、
意外とスピードが出ていました(すべるように進む…とは言い難いかも)。
止まっている時にこちらを見ているのが可愛かったです。
その他もスノーモービルで雪原を走ったり、夜はオーロラを見るなど
宿泊した人は退屈するどころか、どれに挑戦しようか迷うくらいだと思われます。
*こちらは北極圏ではありますが、オーロラは天候や季節などの条件にもよるので、
必ず見られるものではありません。
ただしアイスホテルは周辺にビルなどの人工物がないため観測には適しているそうです。
アイスホテル滞在の心得
とにかく気温が低く、寒さに慣れない人には痛いくらいの寒さです。
たとえ短時間の見学予定でも、真冬のスキー装備並みの恰好をお勧めいたします。
(現地でもスノースーツやブーツ、手袋がレンタルできるそうです*要確認)
特に直接、冷たい空気を吸い込んだ時に冷えるので、
寒さに弱い方は口をマフラーなどで覆っているほうが良いかもしれません。
また、寒さのせいでスマートフォンやカメラのバッテリーの減りが早いです。
いざというときに撮影できないのは残念過ぎるので、
保温性の高い布でくるむなど、電子機器が冷えすぎない装備も必要と思われます。
他では見ることのできない芸術鑑賞と多彩なアクティビティ、
もしかするとオーロラ観測までできる可能性のある素晴らしいホテルです。
またいつか再訪したいと願ってやみません。
みなさんにも自信を持ってお勧めできますので、旅の行き先で迷ったら、ぜひご一考ください。