生活の中の戸籍謄本と住民票

戸籍謄本と住民票 財務
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自分がどこの住民として登録されているのか、どこに本籍があるか。
普段はまったく思い出しもせず、意識もしていなくても、
学校や会社に対してなど、なにかの折に提出を求められ、
取りに走ることになるのが住民票と戸籍謄本(抄本)です。

戸籍謄本(抄本)および住民票は、それぞれ意味や役割が違います。

どちらの書類も、人生に大きく関わってくる重要なものです。
さまざまな福祉制度を利用する際や相続などで必要になってきます。
(最近はマイナンバーカードのコピーで代用できるものもあります)

今回はこれらについて、ライフプランのどんなシーンに登場するかを含めて
いろいろご説明いたします。

戸籍謄本とは

本籍地がどこかわかるもの、というだけではありません。
戸籍謄本がもっとも表している内容は、血縁関係だといえます。

これは日本特有の公的文書であり、親子・夫婦、日本国籍といった内容を証明し
本籍地や家族構成とその履歴が記載されているため、
ルーツや血縁関係がわかるものです。

氏名、本籍地、生年月日、出生地、実父母の氏名・続柄、配偶者の氏名、
婚姻日、子の氏名、養子縁組の内容、除籍者の氏名などが記載されています。

現在のバージョンの戸籍は、夫婦とその子ども単位で構成されており
子どもが結婚・独立すると、親の戸籍から離脱し、新規に別の戸籍がつくります。
(世帯、とはまた別のものです)
 
戸籍は本籍を登録した市区町村で管理されており、戸籍謄本(抄本)もそこで発行されます。
子どもが生まれると、本籍地の役所に親がその旨を届け出て、戸籍に新しく登録されます。

戸籍は出生地や居住地とはまったく関係がなく、
好きな場所を選ぶことができます。
ただし、遠方すぎると請求時に困難なため、
基本的には居住地や出身地にする場合が多いようです。

なお、戸籍は何度か改編されており、いろんなバージョンがあります。
改製原戸籍と呼ばれるものだと、現在の戸籍とは形式が大きく異なり
旧字で書されていることもあって、読むのが難しいものも存在します。

ちなみに謄本と抄本の違いですが、
謄本が夫婦や親子全員の氏名が記載された文書(全部事項証明書)、
抄本が本人だけの部分を抜粋し、他の家族関係は記載のない文書(個人事項証明書)です。
申請の際は、必要となった学校や会社の書類によく目をとおし、
どちらが必要なのかしっかりと把握しておきましょう。

住民票とは

住民票とは、その自治体の区域に住んでいることの証明であり、
住民票の写しはその情報、つまり住まう人の氏名、住所等の事項を記載している文書です。

氏名、出生の年月日、性別、世帯主の氏名および世帯主との続柄、
戸籍、住民となった年月日、住所、および転居した人については、その住所を定めた年月日
届出の年月日および前住所、住民票コードなどの情報がのっています。

しかし請求した場合、記載する情報はある程度、選ぶことが出来ます。

住民票の謄本には世帯の全員を記載、抄本には世帯の中から一部の人のみ記載、
除票は転出、死亡などで住民登録から消除されて5年未満のものを、
続柄や本籍は省略する(記載しない)こともできます。

こちらも請求時、どういった情報が必要なのか、確認が必要となります。

なお、住民票は現在の居住実態を証明する文書のため、
同居はしていない親や子どもは記載されておらず、
親子関係を証明できる文書としては使用できません。
これらを証明する場合は戸籍謄本の入手が必要となります。

どんな時に必要

人生のさまざまなシーンで、これらの書類の出番があります。

戸籍謄本は、本籍地以外の役所に婚姻届を提出するときや
(地方から離れて就職した人が、現在の居住地で結婚する場合など)
家族が死亡して相続の手続きをするときなど、家族に関することで必要となります。

特に相続においては、故人の預貯金の解約と名義変更、
故人が所有する不動産の登記と名義変更など、
さまざまな手続きで戸籍謄本が不可欠となります。
(相続時には現在戸籍だけでなく、出生までさかのぼった謄本が必要なため、
 本籍地を結婚などで移動していれば、複数の戸籍を集めなくてはいけません)

相続時に必要な理由の最たるものとして、相続人の確定が挙げられます。
被相続人(亡くなった人)が養子縁組をした人、認知した子ども、
音信不通の子ども……彼らにも相続権がありますので、戸籍を調べ存在を確認します。
 
さらに相続権人の何人かが亡くなっていると、死亡の事実を確認するため
その人の「除籍謄本」が必要となります。
必要な戸籍をそろえ相続人を確定し、
現在生存が証明されている相続人のみで、遺産分割協議を行うのです。

またその他、厚生年金や遺族年金などの受給申請や
パスポートの発給申請などでも戸籍謄本が必要になってきます。

住民票は、その登録された自治体によって、
国民健康保険や選挙人名簿への登録等に活用されています。
また就学時や就職時、学校や会社に提出したり、
不動産登記や自動車運転免許取得時などで提出します。

入手の仕方

戸籍謄本の請求は、本籍地の役所の戸籍課へ直接行くか、
遠方の場合は申請書などを送付する郵送請求となります。
原則では、本人だけでなく直系親族も取れますので、
結婚前なら親にとってきてもらい、郵送してもらうことが可能です。

また、自分の本籍地を住所だと勘違いしている人もまれにいらっしゃいます。
免許をお持ちでしたらそちらに記載してありますが、
住民票で確認することも可能です。

なお請求者について、原則では、と書きましたが、生命保険会社、債権者、
また警察などの公的な機関も取り寄せることができます。
(保険金支払いや債券回収、何らかの事件や犯罪について調べるためなど)

住民票は、居住区の自治体(住民課)で入手するのが一般的です。
その役割柄、年度末である三月は窓口が大変混みあっています。
時間に余裕がある場合は郵送請求もできますし
最近はコンビニでも出せるようになりました(マイナンバーカード保持者のみ)。

どちらにせよ、入手は時間がかかった場合に備えて
早め早めに動いた方が良いと思われます。

まとめ

これらは秘密保持が求められる個人情報であり、
本人以外が勝手に閲覧したり、入手することを禁じられた公的文書です。

記載する内容は、戸籍の場合は謄本か抄本か、
住民票の写しの場合は家族や本籍地も記載するか、など
提出に不必要な情報を省略することもできます。
提出先の要綱をよく確認し、請求する形式を選択しましょう。

そして入手したものは、安易にコピーなど取らずに
取り扱いや保存場所に注意します。

戸籍謄本も住民票の写しも、人生に何度も必要となる、
家族関係や居住地といった情報が記載されている大切な書類。
自分自身でその内容や用途をしっかりと知ることで
この先の生活に活かしていただければと存じます。

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