ストレスチェックは心の健康診断

ストレスチェック 健康診断
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ストレス社会と言われるようになって久しい現代ですが
これに対する絶対的な対策や解決法はいまだ成されていないといえます。

知らず知らずのうちに心身ともに症状が現れ、
休職を余儀なくされる人だけでなく、
過労死やうつ病の発症といった労災は国内でも後を絶ちません。

そこでメンタルヘルスの不調によるさまざまな災禍を未然に防止するため
通常の健康診断に加え、「ストレスチェック」が行われるようになりました。

労働安全衛生法が改正され、労働者が50人以上の会社は年1回、
メンタルチェック検査を実施することが義務付けられたためです。

今回は、そのストレスチェックの内容や意義などをご説明いたします。

心の健康

検査や症状などで比較的察知しやすい身体の健康状態と異なり、
「心の健康」は不具合がわかりにくく、予防や治療も困難といえます。 

いかに車(体)のメンテナンスは万全でも、ドライバー(精神)がボロボロでは、
まともな運転どころか事故の危険性が高まるばかりです。

そしてメンタルが万全でないと、
自分の持つ力を全て発揮することができないばかりか、
資産やチャンスなどいろんなものを失うことになりかねません。

逆に、現在の心境や症状を自己判断のみで誤解し、
いま自分はこの状態だから働けない、人と話してはいけない、
何もできない、といった行動をとってしまうかもしれません。

医療機関で働いていると、心身はとても密接な状態であることを痛感します。
当然のことですが、いくら身体的になんの病気に侵されていなくても、
メンタル的にダメージを追っている場合は健やかとはいえず、
逆に何らかの体の不調を抱えている場合は
気持ちも元気な状態でいることが難しくなります。

 

ストレスチェックについて

心が健康である、とはどういう状態でしょうか。
イライラしない、落ち込まない、そういったことが基準ではありません。
腹の立つことがあれば怒りの気持ちが湧き、
嫌なことがあれば悲しくなるのは当然です。
そのふり幅こそ個人差がありますが、「何があっても心が動かない」のは
心(精神的)に何かしら問題を抱えている可能性があります。

逆に、何も原因がないのに、なんだかイライラする、悲しい気持ちでいっぱい…
そういう場合も、慢性的なストレスや疲労を抱えている状態といえます。

ストレスチェックとは、メンタルの不調を早期発見する目的で行われます。
受信者に、精神的な現在の状態に関する質問をいくつかおこない、
そのストレスの度合いなどを測定するものです。

受診者のストレス状態を客観的に把握することにより、
なるべく早く適切な対応を行うことで、うつ病の発症などを防ぐ試みなのです。

受けたらどうなるの?

自分だけの判断だと、見て見ぬふり、気付かぬふりしてしまいそうですが、
ストレスチェックの結果により、高ストレス者という判定の出た人は、
医師の面談を受けられ、なにかしらの改善策がとられることになります。
この客観性や他者の介入が、高ストレスの人にはとても重要です。

精神的な疲労や不快感は主観であり、どうしても本人だけでは判断が難しく
やることに追われている状態では、「仕方ない」と放置しがちです。
自分のその異常な状態に気がつくことができない場合でも
ストレスチェックに回答し、医師の審査を受けることによって、
「それはかなり危ない状態ですよ」と指摘してもらえる可能性が高まります。

モラハラ、ブラック企業に所属することで与えられるストレスは、
第三者を挟むことで、やっと気づくことができる場合もあります。

「自分はまだまだ大丈夫そう」
「このくらいのストレス、みんな感じてるでしょ」
そういう人こそ、この検査をしっかり受ける必要があるかもしれません。

ストレスチェックにリスクやデメリットはある?

ひと昔(いや、もはやかなり昔かもしれませんが)
バリバリ長時間働けることがある種のステータスだった時代の人にとっては
ストレスチェックに引っかかることに対し、
ネガティブなイメージを持たれるかもしれません。

また会社の評価や、人事や業務への影響も懸念されるかもしれません。
「上司への不満や悪口を言った」と捉えられる心配もあるでしょう。

しかしながら法律で、会社の役員等が、万が一でも不利な影響の出ないよう
本人の許可無くストレスチェックの結果を見ることが禁止されており
回答結果は閲覧できないよう厳重に管理するように定められているので大丈夫です。
そしてこの結果のみで、部署異動や退職勧告を行うことも禁じられています。
もちろん結果は本人にしかわからないように通知されます。

なお、高ストレスと結果が出た場合でも、
面接指導を受けるかどうかは任意なので強制されることはありません。

結果をもって、これをどう対処していくか自分で決めることができるのです。

普段から気を付けたいこと

ストレスチェックについては、受診者の間でも賛否両論あります。

質問が抽象的に感じられる、やっても意味がない、
実際に高ストレスと出てもどうにもならない……等々お聞きしたことがあります。

しかし、こうした健診の本当の意義は、
自分自身が自分の健康に向けて意識する機会となり得る、
というところにあると思います。

あまりにも忙しい毎日、風邪や腹痛といった体調の不良には
市販薬を飲むか病院に行くなど、それなりに対処していても
精神的な疲れや不満については、当たり前になってしまうのが
恐ろしい問題だと思われます。

なんでもないのに気分が落ち込むか。
好きだったものに関心が持てないか
やりたいことのみ執着してしまっていないか(依存症)

本来、普段から気を付けておきたいものではありますが、
このようなきっかけがあると、客観的にとらえ、
積極的な休息などの対処をとる良い機会に結び付けることができるのです。
そして自分でケアできる範疇をこえていたら、
すぐに公的な相談室や医療機関を利用しましょう。

うつ予防3法 虎の巻: ストレスチェック実施後の対策はこれ!

さいごに

メンタルの不調は、ライフプランにおいて、
さまざまな計画変更や挫折を余儀なくさせる可能性をはらんでいます。

決して放置せず、その日の不具合はなるべくその日のうちに持ち越す、
愚痴は不満は誰かに吐き出すか書き出す等で解消する、など
自分で出来るストレス解消法を探っていきましょう。

同時に自分でなんとかせねば!と思い詰めないことも重要です。
精神的なことで第三者の手を借りるのは勇気がいるかもしれませんが
医療機関はそもそもそのためにあるものです。

ぜひ、少しでも快適で穏やかな生活を過ごすためにも
ストレスチェックを有効活用していただければと思います。

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