特殊健康診断について

特殊健康診断 健康診断
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普段受けている健康診断は、身長・体重、視力などの測定をはじめ
胸部のレントゲンや血液検査など、基本的な項目で構成されています。

ある程度の年齢になると、胃のレントゲンや便潜血の検査なども追加され、
それらはみな、一般的な体の異常を発見するために必要な検査です。

しかし、それらでは発見できないものもあります。
オプション検査で見つかる、ガンなどの詳細な検査もそうですが、
職種によっては、業務中における作業や、その職場環境によって
通常よりも多くなんらかの化学物質にさらされる方もいるのです。
(健診上、被曝と呼ばれます)

そういった方は、健康状態の異常をなるべく早く発見するために
特別な健康診断を受けることになります。

それが「特殊健康診断」とよばれるものであり、
これは国によって受診がしっかりと義務付けられてます。

これは、どういった内容で、どのような人が受けているのでしょうか。
また、その仕事に就業する人以外は
無関係と考えて良いのでしょうか。

働く人の健康

この「特殊健康診断」について詳しく知りたい場合、
「働く人の健康」という本が、公的にも利用されており最もお勧めです。

これは「公益社団法人 全国労働衛生団体連合会」が発行していて
最新の法令にあわせ、健康診断に関するいろいろな情報について載っており
健康診断で受けるべき項目や、事後措置の内容が記載されています。

毎年、4月に新年度版が発行されており、常に最新の情報へと更新されます。
(種類や基準がときどき変わるため)

この本に、「特殊健康診断」に該当する職務についてや化学物質、
そしてそれらの検査方法などがまとめられています。

(特殊健診だけでなく、健康診断の必要性や検査の意義を知る意味でも
 この本を読む価値はあると思われます)

 

特殊健康診断の種類

「特殊健康診断」には、いろいろな種類があります。
それぞれ検査内容や基準が異なっています。

特殊健康診断の対象となる業務は、
有機溶剤業務・特定化学物質業務・石綿業務・放射線業務・
鉛業務・四アルキル鉛業務・高気圧業務の7種と、
じん肺健診が法によって規定されています。

以下に代表的なものについてご説明します。

有機溶剤

特殊健診の筆頭として、職務上、化学物質を扱う必要のある人が
それらに対し身体的に影響を受けていないか検査します。

例えばキシレンやトルエン、二硫化炭素やノルマルヘキサンといった
薬品を扱う仕事についている人は、これらに必要な検査を受けます。
例えば製造業や塗装業、印刷業などの職種の方です。
(ちなみに高校や大学などの化学科の先生も受診しているそうです)

有機溶剤は肺や皮膚などから体内に吸収され、人体へ悪影響を及ぼすことがあります。
主に採尿(いつもの尿検査とは別ものです)や採血で調べることになります。

特別化学物質

有機溶剤同様、クロム酸やフッ化水素、
エチルベンゼンや溶接ヒュームなどを扱う業種の方は
こちらも半年か一年に一度、受診することになります。

これらは化学工業や製品製造業、メッキ工場など、
幅広く使用されている物質です。

問診などに加えて、尿検査や胸部エックス線撮影などを行います。
対象物質によっては歯科医による歯の検査も行います。

じん肺およびアスベスト(石綿)

一時期、問題として大きく取り上げられたアスベストですが、
使用された建築物がまだ残っており、また潜伏期間も長いこともあり
これらに対する健診を行うことはまだまだ重要となっています。

じん肺は、粉じんの曝露によって肺が線維化してしまう恐ろしい病気です。
なかでもアスベスト(石綿)によって起きたものを石綿肺とよんで区別しています。

建築業界をはじめ、さまざまな業種において発症が見られています。
また前述のとおり潜伏期間が長いため、
じん肺健診は現在だけでなく過去においても
「粉じん作業」に従事したことがある方が対象です。

特殊健康診断の受診方法

多くのケースでは、会社の健康診断の担当者より
受診しなくてはならない項目について指示があり、
既定の用紙をもって受診します。
いつもの健康診断にあわせて受診すると、血液の採取などで兼ねられますが
特殊健診の項目のみを単体で受ける場合は、割高になってしまうかもしれません。

ただし会社が全額負担するように定められているため、
(受診料や記入料、受信に必要な時間は労働時間として賃金が発生)
労働者は負担なく受診できると思います。

用紙は病院や健診施設側ではなく、受信者(もしくは会社)が用意します。
記入料は有料の場合があるため、事前に確認しておきましょう。

身近な危険も

特殊健康診断の実施は、法で会社(事業者)に義務付けられているため
健診担当者から受診を促されると思いますが
塗装業や製造業の補助など、業務委託などフリーで働く人は
その受診に関して、自分できちんと管理しておいた方が良いと思われます。

また多くの人は、自分の仕事は使ってないから関係ないや、
と思われるかもしれませんが、
いつも働いているビルや住んでいる住宅について
それがいつ、どのような素材で作られているかを知ることはほとんどありません。

そして趣味が多様化している現代にとっては、
どんなものに化学物質がどのくらい含まれているかを
しっかりと把握できているかはわかりかねるかもしれません。

なんらかの薬品を扱う場合は、
それがもたらす健康被害の可能性を調べておくことが必要と思われます。

まとめ

今回は、一般的にはあまりなじみがないようでいて、
実はそれなりに身近である「特殊健康診断」について
ご紹介いたしました。

これらの健診は、いろいろな物質が、意外な形で、
自分たちの健康を損ねている可能性をもっていることがわかります。

化学物質に囲まれた現代人にとっては
もしかすると万人に必要な検査なのかもしません。

意味不明な体調不良に悩まされている場合、
その原因を疑ってみることも一つの方法かもしれません。

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