志望校探し5つの方法(受験の暗黙知)

教育
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受験の際、一番初めにすることは、
(あらかじめ行きたい学校が決まっている人も少なくないですが)
どの学校を受けるか決定することだと思います。

なんにせよ、よく調べてから決めないといろいろ危険です。
感染症を含め、対策や状況はどんどん変わっていきますし、
子どもにとってもっと良い学校があるかもしれないと思うと、
調べても調べても、キリがないくらいです。
また万が一の場合も考えて、第二志望、第三志望を作っておく必要もあるのです。

そこで私や周りの受験経験者が、どのように情報を収集し、
志望校を決定していたか、その方法5つをご紹介させていただきます。

志望校の決め方

志望校を決めるのは、やはり早いほうが合格率が高いと言われています。
いち早く入試問題の傾向、どのように勉強するかの戦略を立てることが出来るからです。

逆に早く決めると、初めに感じた「○○に入りたい」という決意がどんどん薄れ、
日々の学習において、モチベーションを維持していくのが困難になる人もいます。

親のほうでも、あまりに早く決めてしまうことに不安があるかもしれませんが
あくまでも現時点での第一志望でかまわないし、
また第一志望を複数用意しておくのも良いかと思われます。

3つくらいに絞り込み、それぞれに対策しつつ、
近づくにつれて各学校に優先順位(入学を希望する順)をつけていくのです。

選ぶ基準としては、学校生活で何を重視するか(大学進学や部活動、人間関係など)、
どんな学校生活が送りたいのか、何を学びたいか、などで選んだほうが安全です。

間違ってもその学校の知名度や、選ぶ時点での偏差値だけで決めてしまうのは
子どもとの相性がミスマッチで、のちのち後悔することになりかねません。

また、できるだけ親子の意見を一致させておいたほうが
受験勉強に余計なストレスをお互いに感じずにすみます。
中学受験だと特に、子どもの意見は目先のものにとらわれているように見えたり、
感覚的な意見に思えてしまいます。
しかしそれを無下に却下してしまうと、反抗心から勉強の効率が下がってしまうのです。

「どうしてこの学校を勧めるのか」をプレゼンし、
子どもに理解してもらうことがとても重要です。

そして志望理由をはっきりしておくと良い理由の一つに、
もしそこに落ちても割り切りが早くできます。
目的はあくまでも「志望理由」(大学受験に有利な学校で学びたい・・・等々)であり
学校へ入学するのはその手段のひとつにすぎないからです。
そのため、もしそこに行けなくても、
志望理由を叶えるための新しい目標を設置すればよいだけです。
(上の例だと、今から大学受験にそなえて塾などで対策・準備しておく、など)

つまり志望理由は「○○の制服が着たい」「○○の生徒になりたい」で終わらず、
どうしてそう思うのかまで、掘り下げておく必要があります。

お勧めの本:

 偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び

 高校受験 志望校に97%合格する親の習慣

1:資料請求する

まず最初にすることは、気になる学校や受験候補など、
さまざまな学校案内(パンフレット)を取り寄せます
本来は各地で開かれる、合同学校説明会や進学相談会が一番手っ取り早く集められますが
感染症の関係で、現在はそれも難しくなっていると思われます。

もちろんパンフレットの情報だけでは限界がありますが、
記載されている内容は知っておくべき基本中の基本です。
校風、教育方針、授業スタイルやカリキュラム、部活動などです。
施設・設備に関しては、良い面しか書いてないため、あまり参考にはなりませんでした。

その学校の教育理念が、自分の家の教育方針やお子さんのカラーに合うかどうか見極めます。
その時点で間違えると、もし受かってもお子さんにとって大変なことになります。
実際に私の子どもの学校は、入学説明会でも学校案内でも、
カリキュラムがハードなことや、課題やテストが多いことなど重ねて告知していましたが
入学して半年後の父母会で「宿題が多すぎるとうちの子が泣いています!」
と先生に苦情?を入れた方がいて、先生も他の父兄も少々困惑し驚きました。
やはり校風と子どもの性格や希望が合ってないのは、
受験で頑張った挙句に辛い思いをしてしまう、という結果を生み出しかねません。

その他、自主性を重んじる自由な校風か、それとも規律の厳しい学校か、
そういった雰囲気も感じ取らなくてはいけません。

学校案内は写真が多く、アピールしてくるイメージはつかみやすいかと思われます。
そして学校案内を読んで、お子さんがどんな感想を持ったのか聞いてみてください。
パンフレットに書かれた文言のうち、自分の子どもが何に反応するかによって、
親と子どもの価値観や好みがハッキリわかります

2:学校のサイトを見る(インターネット情報)

興味のある学校のサイトからは、いろいろな情報が得られます。
しかしその中の受験生向けページは、学校案内とあまり内容が変わらないことも多いので、
その他のページ(できれば在校生向け)を詳しく閲覧します。

例えば細かなことですが、台風の予報が出ている場合、
早めに休校や遅めの登校などを指示している学校があります。
また特別授業の様子などを保護者向けに報告していたり、
部活動で活躍しているチームの試合結果なども見ることが出来ます。

そのほかインターネットでわかるのは、
受験する時参考になる偏差値、学校の詳しい歴史や塾の評価、口コミ情報などです。
なかでも、保護者の間でよく利用されているのは以下の3つです。

「中学受験スタディ」

「みんなの中学校情報」

「eduNavi~エデュナビ~」

どれも学校選びだけでなく、受験全般に通して有益な情報が数多く掲載されており、
受験を決めようか迷っている時から、決定し結果が出るまで、本当にお世話になりました。

ただしネット上にある、匿名の口コミ情報は玉石混合で、
具体的で役立つ情報もたくさんありますが、
事実と異なる書き込みや、悪意のある嘘も時おり見かけます。
口コミはほどほどに信じ、ネガティブな話も褒める言葉も、
一個人の感想や印象なのか、それとも事実なのか、見極めることが大切です。

3:説明会やイベントに参加する

残念ながら昨今はオンラインでの学校説明会がメインとなりますが、
学校紹介の動画をWebサイトに用意している場合もあり、
お子さんと一緒に見ておくと良いかもしれません。
ここでも学校案内(パンフレット)同様、その動画を見ている子どもの反応を観察してみると
どんなシーンで興味を引いたのか、学校選びの参考になると思います。

もし開催されるなら、学校説明会には必ず参加するべきです。
ただ学校についての内容がわかるだけではなく、
先生の対応や生徒の雰囲気、先生と生徒の関係性を見ることが出来ます。
できるだけ積極的にコミュニケーションを図ることで、
校風がお子さまにあっているか(馴染めるか)感じ取ります。

ちなみに在校生を見ると、自分の子どもと似た感じを受けるかどうかで
「ここは大丈夫」「ここは違うかも」とわかるよね、他の父母とも話していました。

在校生に話しかけるのに、特に理由が見つからず躊躇されるかもしれませんが、
どんどん話しかけ「こんなことまで聞いてしまった」くらいで良いと思います。
子どもが在校生として学校説明会の案内に出席した際に、
本当に多くの父兄からいろんな質問を受けたそうですが、
(髪型そんなに厳しくない?どの授業が楽しい?毎日忙しい?など)
シャイな子もそうでない子も、一生懸命、詳しく答えていたそうです。
なぜなら全員が「元・受験生」なので、
不安や疑問を解消したい気持ちは痛いほどわかるからだそうです。
ぜひ、たあいのない疑問点や世間話こそお話してみてはいかがでしょうか。

また文化祭や体育祭は、子どもの受験に対するモチベーションが上がります
「この学校に通いたい!」という気持ちを強くしてくれます。

さらに学校によっては、学校の授業や部活動などを、
実際に参加し、体験できるイベントを用意しています(事前に予約、抽選など)。
理科の実験などの特別授業の体験は、子どもの中で学校に通うイメージを定着できます。
どんなイベントでも、積極的に参加してみてください。

     

4:なんでもない日に行ってみる

普段の通学経路や日常の周辺環境を調べるため、
朝夕の通学時間帯に合わせて実際に学校に行ってみます

私も最初に聞いた時には「そこまで?!」と思いましたが、
実際に通わせ始めると、それがとても有効であり、大切なことだとわかりました。

学校説明会は週末であり、参加する生徒も一部です。
まったくの普段の様子を見るためには、これが一番だということです。
もちろん校内には入れませんが、学校周辺に行き、登下校する生徒を観察します。
これが一番、素の学校、素の生徒を見ることができます

ただしグラウンドを含む校内を覗き込んだり、生徒に話しかけたりするのは
ご迷惑となり、不審者扱いになりかねませんので、ご遠慮ください。

駅からの道のりも、通うとなったら何に注意すべきかわかります。
「通学、大変そうだな…」とネガティブな気持ちに支配されそうになるかもしれませんが
「それを承知した上で、それでも通いたいと思った学校だから行く」というのと
「良い学校だから受けたけど、通うのすごく大変」では、
入学後の気持ちに大きな違いが生まれます。

全ての受験校に行ってみる必要はありませんが、
第一希望群の学校なら、行ってみる価値はあるかと思われます。

5:過去問集を購入し解いてみる

古本でもかまいませんので、その学校の過去問を手に入れます
解けそう、難しくて無理そう、というのは問題ではありません。
(たいてい難しくて無理そうに感じます…)

過去問でわかるのは、その学校がどんな子を求めているのか、です。
計算処理能力が高い子、知識の豊富な子、卓越した読解力のある文章作成が上手な子。

私立はもちろんのこと、同じ公立中高一貫校といえども、
その学校の独自問題にはハッキリとカラーが出ています。

これはそういった子を入学させたいという気持ちだけでなく、
その適性を持った子でないと、入学後、学校のカリキュラムを楽しめない
(ついていくのが困難ともいえる)ということです。

その求める適性があるかどうかを知るには、解ける解けないよりも、
その問題を解くことには抵抗感を、もし解けたときには達成感を、
それぞれどのくらい感じるか、が指標になりました。

我が家の場合、理科系・社会科系の問題は、問題文を読むことさえ面白がったのですが、
長文の物語などはあまり興味が持てず、作文などは書きあげた後も不満そうでした。

ただし問題を見て、苦手意識が生まれたり、
子どもの意識では「学校ごと嫌い」になってしまいそうなので、
過去問を解かせるのではなく、「読み物」として一緒に読み、
「これが解けるようになれたら凄いよね」とあくまでも目標として掲げつつ、
子どもと問題との相性を探ってみるのが良いかもしれません。

情報をまとめ、志望校を決める

最終的に得た情報を、比較し一覧できる表にしてみます。

頭の中だけでは、学校のイメージに関する部分があいまいだったり
細かな情報が混ざってしまったりするので、面倒でも一覧にしたほうが良さそうです。

項目は教育理念や方針、校風、進学率、所在地(通学時間)、偏差値、
特別な授業やカリキュラム、入りたい部活など自分たちが重要だと思うもの全てです。

親子で気に入った学校が違うかもしれません。
子どもは学校のイメージで選びがちですが、親は進学実績で選ぶなど現実的です。

なかなか一致しないと困るし、衝突が避けられないかもしれませんが、
実はこのほうが、入学した後、リスクやデメリットを熟知してから入るので
(どちらかが必ずそれを指摘し、それに対しどうするかを考えた後になるので)
のちの苦労が軽減されることになります。

最初から完全に一致し、スムーズに第一希望が決定した場合、
その時は楽なのですが、入学後に思わぬイメージとのずれや誤算があると困ってしまいます。
(子どもに「お母さんが良い学校って言ったのに!」と責任転嫁される人もいました)

正直、デメリット(欠点や苦労する点)がない学校など無い、と思っています。
欠点を補って余りある魅力を持つか
(勉強が難しいし進度も早いけど、特別授業が面白くて貴重な体験ができる)
この手の苦労なら乗り越えられる
(規律が厳しすぎるのはOKだけど、人間関係で校風が荒れてるのは耐え難い等々)
など、お子さんと話し合いながら折り合いをつけることになるかと思われます。

大変な時代ですが、子どもたちが自分に合った環境で充分に、そして楽しく学べることと、
親御さんの苦労が少しでも軽くなることを願います。

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