事故を起こした時の対応(交渉相手別)

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事故を起こした時など、トラブルが起きたその直後は、
混乱し、怒りや悲しみなどの感情に支配されるなどで
冷静な対応は本当に難しいと思われます。

私も事故後は、怪我の痛み(骨折していました)でまずは返答も難しいくらいでした。

しかし、そのあとにさまざまな相手と多く対話することになるのですが
それぞれの対応は、普段の会話の比較にならないほど
大変熟考しながら進めるべきであり、言葉も慎重に選ばなくてはいけません。

弁護士さんや法律相談でお世話になった交通指導員さんのお話や、
私の失敗談も含めて、どうすべきかをまとめてみました。

事故を起こした時の対応

ディベート(討論)などになじみのない日本人にとって、
交渉というと身構えてしまうかもしれませんが、
事故における交渉はとても重要なものです。

のちのち自分にとって不利な展開になったときなど、
「これを確認しておけばよかった!」「これも伝えるべきだった」と
苦しむことになります。

ただし全ての交渉相手に共通して言えるのは、
たとえ自分にとって不利になることでも、嘘は絶対にいけません

これは人道的な意味合い以上に、
事実と異なることを証言するのはかえって自分に不利な展開となったり
内容によっては罪として罰せられることもあるからです。

ただし、「言わない」のは問題ありません。
まだ誰がどのくらい過失があるのかわからない段階でも、
逆に、すでにハッキリと加害者だと判明している場合でさえ、
国民全員が、黙秘権という「言わない権利」を有しているのです。
警察や裁判の場でも同様です。

例えば「とても急いでいた」というのが事実であっても、
それを伝えてしまうことで、「だから信号無視したんじゃないか」といった
事実とは異なる印象を持たれるかもしれません。

しかし黙秘ではなく、ごまかしたくて嘘をつくことになってはいけません。
絶対に事実と違うことを答えてはいけないので、
上記の例だと「時間に余裕があったのでノンビリ運転してました」といってしまうのは
のちのち他の状況などと矛盾が生じる可能性があるため止めたほうが良いです。

総じて、あまり不要なことはいわないほうが賢明なのです。

事故の相手に対して

どちらに非があるにしろ、きわめて冷静に、事務的に接することが重要です。
出来ないようなら、あまり直接会話しないほうが良いくらいです。
怪我や体調、または気が動転しているなどの理由を伝え、
しばらくの時間をおいてもらいましょう。

もしどちらかが怪我をしているなら、迅速に対応をします。
道路交通法に「救護義務」というものがあり、なにより最優先しなくてはなりません

同様に、事故は絶対に警察に連絡しなくてはなりません。
自転車と歩行者、自転車同士の事故でも同様です。

警察を待つ間に、家族や職場に連絡しましょう。
これは便宜上の必要なだけでなく、状況を整理して伝えることになるので
自分の中で何が起きたのか認識しやすくなります。

事故の相手に対してですが、私は経験上、あまり会話を長くすることはお勧めしません。
なぜならどちらかが怒り狂っているときはなおさらですが、
被害者が加害者にある程度気をつかってしまうと
(大丈夫ですよ、たいした怪我じゃないですよ)
話が通じそうな相手(自分に有利に話を運べる相手)だと、
勝手に認識されてしまい、のちのちの交渉が大変になることがあるからです。

目撃者など周囲の人に対して

よく道路上に、警察署の置いた「目撃情報」の看板をみかけます。
交通事故において、目撃情報はとても重要なものになります。

過失割合(どちらがどのくらい事故の原因を作ったか)を決める際、
どちらも必ずといっていいほど、自分を正当化するからです。

自転車の事故だとドライブレコーダーがついていないので、
実際の状況がわからず、事実が闇に隠されてしまうことになるのです。

もし相手に原因があると思った時は、できるだけ目撃者を探し、
できれば、その人の連絡先を確認しておきましょう。
その付近のお店の人がいたら、頼みやすいかもしれません。

初めて事故にあった人は、事後は保険会社に頼んでつつがなく終わると思っていますし
そういった人もたくさんいるとは思いますが、問題はこじれたときです。

まさかの展開になったときのために、目撃者を確保しておくのはとても重要になります。

警察に対して

絶対にすぐに呼ぶのが基本です。
本来は、そのままその場で警察の到着を待ち、その場で事故の検証を行います。

しかし、どちらかが怪我をしている場合は治療が優先となります。
まずは病院に行く旨を警察に伝えて移動します。

程度にもよりますが、救急車を呼ぶほどでもない場合、
またすぐ近くに病院がある場合は、自力で移動してもかまいません。
(私は肩や腕の痛みだったので、救急車を呼ぶことが申し訳なかった気がしてしまい、
 徒歩5分弱の病院へ歩いていきましたが、無理されることはないと思います)

事故についてですが、嘘はつかないことが基本中の基本です。
知らないことは「知らない」で良いのですが、
「よく分からない」と答えると、良く見ていなかったのでは?という
運転に対する不注意だと受け取られる可能性があります。

そのため「分からない」は気を付けて使ったほうがよさそうです。

保険会社に対して

ほとんどの保険会社の対応は迅速で、とても丁寧だと思います。
事故対応のプロであり、説明もわかりやすく手続きについても親切です。
こちらは言われるがままの作業で、あとはお任せできるのでとても安心です。

ただ自転車同士の事故や、自転車と歩行者の事故の場合、
以前の保険では(最近は自転車保険に入ることが義務付けされているので大丈夫かと)
火災保険などに付属でついている賠償責任保険を使うことがあります。
これだと、自転車同士の事故対応に慣れていない方が担当になる場合もあるのです。

私が事故にあった時の担当さんは、とても丁寧で親切な方でしたが、
あまりにも自転車の交通法規にうとく知識も不十分で、正直ショックを受けました。

実は、一番しっかり対応しなくてはいけないのが保険会社に対してだと思います。
事実より控えめに主張すると、とことんこちらの過失が増大し、
権利を大きくえぐられることになりかねません。
また逆に、怪我や被害を偽装したり過大に報告するのは立派な犯罪です。

私たちはどうしても、第三者に被害などの状況を聞かれた時、
謙虚にふるまいたいと願うせいか、「たいしたことないです」「お気になさらず」
といった感じに、できるかぎり大丈夫なふりをしてしまうことがあります。
またお互い様の精神が根強いため「私も不注意で・・・」
事故の相手に気を使ってしまうかもしれません。

それを保険会社に対してやってしまうと、文言どおりに受け取られるのは必至です。
保険会社の仕事は、慈善活動や保険契約者の救済処置などではなく、
あくまでも業務としてやっていることを忘れてはいけません。

当然、被害の状況を過大に報告するのは論外ですが(すぐバレます)
怪我や休業については事実をありのまま伝えてましょう。
事故の内容については、この時点で自分の過失のみを認めることは危険です。
(相手は自分の保険会社に対して、自分に非はまったくなく、
 こちらに100%非があると伝えている場合もあります)

まあいいか、で最初は思っていても、
気が付くと驚くような展開になっている恐れがあるのです。
初めから終わりまで、自分の権利や相手の過失はしっかりと主張しましょう。
攻撃的になる必要はまったくありませんし、むしろ不利益ですが、
決して慣習的な遠慮や謙遜などはしてはいけません。

 

そのほか

事故にあった後、職場の人や友人に事故の経緯やその後についてお話するかと思います。
またSNSなどに詳細をアップしてしまう人もいるかもしれません。

しかし(怪我のため仕事を休む場合は仕方ありませんが)
できれば、あまり不必要に口外しないほうが良いかもしれないと思いました。

法律や保険に関して有益な情報ももらえる場合もありますが、
間違った情報、古い情報も混ざっている可能性が高いのです。
相談するなら自治体の法律相談窓口や弁護士さんが一番です。

また事故の相手を強く責めて、責任を追及させようとする過剰な正義感を持つ人もいたり
逆に自分に非があるように決めつけられられ意味不明なお説教をくらったりと、
同情や心配など思ったような反応ではないものに巻き込まれて、
余計にやっかいな思いをするかもしれません。

そのため、事故の話は身近な信用できる人のみにしたほうが、
自分の心の平和は守れると思われます。

まとめ

事故にあっただけで本当につらく、その後も大変なことが多いかと思います。
警察や保険の手続きだけでなく、仕事や家庭のこともあり、
さまざまな問題を抱えることになるからです。

しかし、それぞれの対応を間違えると、
後からもっと辛くて悲しい思いをすることになります。

もし自分に過失があったとしても、別にきちんと対応すれば問題ありません。
正直に、過剰に正当化せず、事実に向き合うことが
お互いに遺恨を残さず、早めに心身回復が出来ます。

みなさんが事故にあわないのが一番ですが、もしあったときに参考になればと願います。

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