行進するペンギンを楽しむ(旭山動物園)

ペンギン行進 自然
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行進するペンギンを楽しむ

ペンギンは立っている姿も可愛いですが、
短い脚(本当は長くで、実は曲げているだけですが)で
よちよち歩く姿が可愛いです。

それも数10羽がいっせいに行進する姿となるとなおさらです。

そんなペンギンを、手が届きそうなくらい目の前で見ることができる
「旭山動物公園のペンギンのお散歩」はいかがでしょうか。

旭山動物園のペンギンパレード

北海道の旭山動物園では、キングペンギンの行列が園内を歩く姿を見ることが出来ます。
これは「ペンギンの散歩」とよばれ、ペンギンの冬場の運動不足の解消と、
この動物園の特色である「行動展示」(動物の自然な姿を来訪者に見せる)を目的とした
大変有名かつ人気のイベントです。

ペンギンはもとより、全国の水族館・動物園で年齢性別を問わず愛されていますが
その姿を目の前で見られる機会はそうそうありません。
そのため、冬の旭川の気温はマイナスが基本にかかわらず、
時間前から多くの観光客がルートで待ち伏せします(とても寒いです)。

それでも行進が始まると、そんな寒さも吹き飛ぶ可愛らしさです。
ペンギンは極寒地に住むため、他の鳥類よりもたくさんの皮下脂肪をたくわえており
ぽってりとした体で「フリッパー」と呼ばれる翼をひろげ、
よちよちと一生懸命歩く姿に心を奪われます。

この「ペンギンの散歩」は、園内の散歩コースを約30分近くかけて歩きます。
雪が積もる12月くらいから始まり、寒さが本番の3月までは1日に2回、
3月からは1回行われていました。

開催状況については、感染症の関係もあり、不確定のため、
旭川市ホームページ内 旭山動物園サイト でご確認ください。

列を作って・並んで歩く

キングペンギンは一年中毎日、海へ魚を取りに出かける習慣があるため、
その習性を「散歩」に変えているそうです。
ただし散歩はペンギンの自主参加であり、人間のためのショーではないので、
強制はしておらず、出かけたいペンギンのみが出てきます。
そのため、ペンギンの数は日によって違います。


彼らは直立二足歩行で進みます。
そもそも直立する鳥はペンギンのみです。

歩く際、倒れないようするため
翼を後ろに広げてバランスをとっています。

足の短さや体形のせいもあり
とてもバランスはとりにくそうです。
そもそも雪の上はすべるため、
転んでしまうペンギンもいました。

急ぐ時にはさらに前傾姿勢になり、
ついにはパタンと倒れ、
そのまま雪の上をすべって進むことも。

列になって進みますが、これは集団行動をするペンギンの習性だそうです。
道を覚えているわけでもなさそうなのに、
先頭ペンギンのあとを、基本的には順序良く進んでいきます。

たまには自由行動

基本的にはペンギンの意志で散歩しているため、隊列が乱れることもしばしばです。
ずっと眺めていても、ペンギンにも個性があることがわかります。

急に立ち止まり、
他のペンギンとなにやら会話?してみたり

一目散に進んだかとおもいきや、
道がわからなくなったのか、
一か所でぼうぜんと立ち尽くしたり。

愛嬌をふりまくかのように、
観光客に向かってキョロキョロと顔をむけ
シャッターチャンスを量産してくれたり。
(ただしフラッシュの使用は禁止です)

おもむろに近づいてくるペンギンもいました。
人間を興味深そうにみていて、
特に小さな子どもに対しては
仲間なの?というようにみつめていました。

進行をさえぎったり、ペンギンに触ることは厳禁なので見ているだけですが、
まったく飽きずに、それどころかあっという間の三十分でした。

本当に自由なので、どっか勝手に行ってしまうのではないかとおもうほどでした。
「飛んで行ってしまう」はないにしても、ちょこちょこのペースが乱れてくると
飼育員さんがきちんと個体全てを把握していることがすごいと思えました。

ペンギンの習性のためか
群れからはぐれることはないのですが、
別の方向をみつめたまま停止したり
寝っ転がって自主的に休憩をとる
ペンギンなど、列を作りながらも
いろいろな姿を見せてくれました。

ただ歩いているところを見るだけ、
と思っていたら大間違いでした。

人とペンギン、ペンギン同士、
それぞれのコミュニケーション

とても楽しかったです。

行進を終えると、振り返ったり、帰還を拒んだりもしないで
出発と同じテンションで、ペンギンは自分のエリアに戻っていきました。

 

行進を見て感じたこと

ペンギンが群れになるのは、もちろん生存のためです。

野生のペンギンは常に、アザラシやシャチといった生物に捕食される危険にさらされています。
魚の群れや、陸上でも鹿などの草食動物がそうであるように、
群れで行動することで生き残る確率を上げているのでしょう。

でも歩くときに列になるのは、団体行動とは別の理由もあるように見えました。
もちろんペンギンは鳥なので、先頭についていく、という習性もあります。
誰かがすでに通った個所は歩きやすく、ある程度の安全も保障されています。

しかしそれだけでなく、これは想像にすぎませんが、
ペンギンは行進すること(並んであるくこと)自体に
楽しさを感じているように思えたのです。

飛ぶ鳥の群れは、移動中に他の鳥とコミュニケーションをとることは難しいと思われます。
「前方に障害物あり!迂回する」くらいではないでしょうか。
飛ぶことに意識や体力を使うため、そのほかの余裕はなくなりそうです。

しかし徒歩で移動するペンギンは違います。
移動に時間がかかるぶん、コミュニケーションも取りやすく
道草やよそ見なども気軽にできるのです。

また単体で歩くよりも緊張感は少なくて済みます。
鳥が退屈を感じるかはわかりませんが、
一人でもくもくと歩くよりかは楽しそうに見えました。

以前、オーストラリアのメルボルンでも、
海から帰ってくるペンギンの群れをみたことがあります。
次々と海からペンギンが出てきて、みな自分の巣へと戻っていきます。
団体行動はしていますが、出てからの様子はまちまちで、
「ペンギンの散歩」同様に個性がありました。

彼らもまた、海から出たらすぐにうちに帰れば良いものを
他のペンギンとなにやら交流したり、
知り合い?が出てくるのを待っているように、
海から出てくる仲間を見ていたり、
個人の目的(餌をとり帰宅)以上のなにかを行動に含んでいました。

そんな姿を見て、ペンギンは群れを楽しんでいる、そう思えてなりませんでした。

おまけ

冬の旭山動物園は、寒さに強い白熊はやはり生き生きと、
寒いのもOKそうなトラは毛皮に雪が積もっても気にせずウロウロ。
アフリカに生息するライオンはぼうぜんとしていました。

どの季節も良いですが、冬の旭山動物園、ぜひおすすめです。

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